犬は本当に言葉を理解しているの?ボタンで会話する犬の真実に迫る、哲学的な考察

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犬は本当に言葉を理解しているの?ボタンで会話する犬の真実に迫る、哲学的な考察

Youtubeでよく見かける「犬がボタンを押して、飼い主と会話する様子」。この動画を見たら「犬は言葉を理解できるの!?」このように考える人は多いでしょう。

この記事では、犬は言葉をどのように理解しているのかを哲学的に考察します。
犬は言葉を理解して行動しているのか、それとも言葉に対して行動パターンを覚えているだけなのか…

犬と人間の会話について深ぼっていきます。



人間は言葉をどのように理解しているか

まず初めに人間が言葉を理解しているとは、どのような状態か述べると、言葉と言葉に連関性があり、言葉に対して自身のイメージや経験が付随し、言葉を用いる状況・環境から言葉の意味が浮き上がり、その言葉だけが持つ独特なニュアンスを感じられる状態です。

例として、「やばい」という言葉について見ていきます。言葉と言葉に連関性があるというのは、「やばい」という言葉に対して、「すごい・危ない・危険・驚いた」など、関連のある言葉を連想することです。

言葉に対して自身のイメージや経験が付随するとは、「普通でないこと」「テストの点数が悪くてやばかった」といった具合に、その言葉を説明するイメージや経験を思い浮かべることを指します。

このことに加えて、ご飯を食べている時に「やばい」と驚きの声で言っていたら、ご飯がすごく美味しいという意味でやばいを使ったのだと意味を理解します。逆に不穏な雰囲気で首をかしげながら「やばいな」と言えば、ご飯が美味しくない、まずいという意味だと理解します。複数のことが連想される中で、言葉を用いている状況と環境から意味が浮き上がります。

そして、この「やばい」という言葉を類似する言葉に置き換えられるが、「やばい」を使うことで表現するニュアンスは表現しきれない…
この部分がその言葉だけが持つ独特なニュアンスを感じられる状態です。「これは美味しい」と言われるのと、「これはやばい」と言われるのでは、後者の方が料理に対して美味しさだけでなく、驚きや感情の動きが言葉にあり、言葉から受け取るニュアンスが違います。



犬は言葉を理解できるのか

犬が言葉を理解できるかについての問いですが、犬は言葉を理解できないです。ただし、犬とコミュニケーションを取ることはできるでしょう。

もう少し正確に問いについて答えると、犬は言葉を理解することはできないが言葉を使うことはできます。理解してないのに言葉を使うことができるのか、疑問に感じるかもしれませんが理解していなくても言葉を使えます。

若者の間で流行っている言葉やビジネス用語など、馴染みのない言葉を思い浮かべてください。その中には言葉を理解していなくても、このシチュエーションで使う言葉だと知っていれば、理解していなくても言葉を使えますよね。

例えば、「エモい」や「チル」といった若者が使っている言葉。
この言葉に対して理解をしていなくても、夜景や海の景色など良い景色を見たときに「エモい」、休憩するときに「チルする」といったように使用する場面を知っていれば、言葉を理解していなくても問題ありません。エモい、チルがどのような言葉と連関するか、またエモい、チルという言葉を経験していなくても言葉を使用できます。つまり言葉の使用においては、言葉を理解する必要はないということです。

ここから犬が言葉を理解しているかという問いを見ていくと、Youtubeでボタンを押して会話する犬は、単に言葉を使用しているだけと考えられます。犬が一定数の言葉を記憶することは可能かもしれませんが(例えば、犬の名前を呼んだときに反応する)、言葉を理解しているというわけではありません。



犬の言葉の使用

では、犬がどのように言葉を使用しているのかを見ていきます。犬にとっての言葉は、プロンプトの役割に似ています。
プロンプトとは、チャットGPT等のAIを使用するときに、入力する指示や質問のことです。プロンプトにより、AIは特定の応答や行動を生成するための情報を得ます。

犬が言葉をどのように使用しているかですが、この言葉に対しては、この成果・報酬を得ることができると認識しており、言葉は犬にとって、あくまで成果・報酬を得る手段です。

犬がご飯を食べる前にお座り・お手をするように教えていたとしましょう。犬にとって、この動作はご飯を得るための手段です。会話ボタンで言葉を使用する犬からすれば、お座り・お手が音のなるボタンを押すことに手段が変わっただけです。

つまり、ご飯を食べたいときに押すボタンを押せば「ご飯」という音がなるだけで、人間にとっては「ご飯」という音は犬がご飯を欲しがっていると理解しますが、犬からすれば「ご飯」と音がなっただけ。この音はご飯を食べる前の合図、あるいはご飯を食べる前のお手(ボタンにお手)です。

以上のことから会話ボタンの言葉は、犬にとってのプロンプトと考えられます。特定の応答や行動を生成(ご飯、散歩、遊びなど)するために、会話ボタンの情報を使っているとうことです。



犬は言葉を解釈している

犬は言葉を理解していないと述べましたが、
犬が言葉を解釈していると考えられます。

理解と解釈の違いとしては、理解は物事に対して内容を正確に正しく捉えること。解釈は物事を自分なりに(主観的に)捉えることです。

犬にとって、言葉によって他の言葉が連想できるかと言えばそれはできないでしょう。
ただ、犬には経験があります。この点から犬が自身の経験から学習して、言葉を主観的に解釈することは可能だと考えられます。

先ほどの会話ボタンの「ご飯」でいくと、犬はボタンを押し、「ご飯」という音を聞きます。その後、飼い主がご飯を持って来てくれるか、「もう少し待って」ってと言いながら犬をなだめます。
そこで犬は「ご飯」という音(言葉)は、飼い主からご飯をもらえる、あるいは飼い主がかまってくれると解釈できます。何度もご飯ボタンを押すことで、ご飯をもらう経験を重ねていきます。

この経験の積み重ねから犬はご飯ボタンを押す、あるいは「ご飯」という音はご飯を食べたいときに使うんだと学習することができます。

以上から犬は言葉を解釈できると考えられます。
「散歩」、「遊ぶ」、「トイレ」など犬の生活に関わる言葉に対しては、彼らの経験に基づいて言葉を解釈できます。

しかし、犬が言葉を連想できないのに言葉を連続して使えるのはなぜか(「ご飯」、「ください」とボタンを連続で押せるのはなぜ?)、犬の生活に関わらない言葉(仕事、勉強など)は解釈できるのか疑問を僕は感じます。これらについても考えてみましょう。



犬が言葉(会話ボタン)を連続で使用できるのはなぜか

この疑問に対しては、意外とあっさり答えることができます。なぜなら、犬はお手・お座りをしてからご飯を食べることができるからです。

犬を飼い始めた人であれば、誰しもが犬にお手・お座りを覚えさえたいと思うでしょう。
そして、多くの犬がその期待に応えてくれます。
犬にご飯をもらうための手段であると正しく教えられれば、犬はその手段を覚えます。

これを会話ボタンで考えてみるとご飯ボタンを押すことはお手、くださいボタンを押すことはお座りの代わりということです。つまり、犬は会話ボタンで2語から3語を連続して押せます。賢い犬であれば3語~5語まで連続して、会話ボタンの言葉を使用できます。(通常の指示だと、犬は3回から5回まで連続でできるため)

会話ボタンを使って、犬が6語以上の文章を作り始めたら、それは犬類の進歩であると言えるでしょう。



犬の生活に関わらない言葉は解釈できるか

犬の生活に関わらない言葉は解釈できるかという問いですが、答えとしては犬の生活に関わらないことも解釈できます。

その例として、盲導犬を挙げることができます。
盲導犬は、目が不自由な方の生活を支えています。
それは犬の世界でなく、人間の世界の一部を犬がトレーニングにより解釈しているからです。

Youtubeでは、お仕事ボタンを使用できる犬を見かけました。犬の生活では仕事はありませんが、飼い主がいない時間、あるいはパソコンで作業している時間を犬が「お仕事」と解釈したからこそ、お仕事ボタンを使用できるのです。



この記事では「犬が言葉を理解できるのか」をメインにしました。犬と人間がお互いに言葉を用いて会話したり、人間が犬に話しかけることで意思疎通ができているように感じる…
犬と人間の関係に言葉はどこまでの役割を果たしているのか…
次回は「犬と人間の会話」をテーマにして、哲学的に考えていきます。

犬と人間は言葉で会話できてるの?―犬が持つ驚きの感情を読み取る能力の正体
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