コミットメントの効果を最大限活かす4つの条件!心理学から学ぶ~役立つ知識~

役立つ知識

コミットメントの効果を最大限活かす4つの条件!心理学から学ぶ~役立つ知識~

前回の投稿で小さな要請(小さなコミットメント)について紹介しました。

今回はコミットメントの効果を最大限発揮するための条件について見ていきましょう。

その前に物凄く簡単にコミットメントの持つ効果をお伝えすると、

自分の要請を相手が承諾しやすくなるという効果があります。
その理由は相手が一貫性を持つから。
こちらの記事を先に読むことで今回の記事について深く理解することができます!
小さなお願いが大きなお願いに!?小さなコミットメントの効果~役立つ知識~
簡単な小さなお願いや頼み事には実は意外な効果があります。それは大きなお願いや頼みごとを相手に承諾してもらいやすくなるといった効果です。実際の例を挙げて説明しているので記事を読むことで実践しやすくなります。また使う際に意識すると良いポイントもお伝えします。
では、コミットメントの効果(相手から承諾を得やすくなる)を最大限得られる条件4つを紹介していきます。

コミットメントの効果を上げる条件:行動を含むこと

1つ目の条件は何か要請するときに相手に行動をしてもらうことです。
書くという行為(コミットメント)をするだけで人は一貫性を持ちます。
書くという行動が人の性格やイメージを形成するからです。
例えば「これに名前書いて」と初めに要請した後、「そのままこのアンケートも答えて」と言うと相手は承諾しやすくなります。
要するに行動したことで自己イメージが形成されて、そのイメージを全うしようと一貫性を感じます。

コミットメントの効果を上げる条件:公衆の目にさらすこと

2つ目の条件は公衆の目にさらすことです。
周りからのイメージを維持しようとすることで一貫性を持ちます。
こちらは実験を紹介しますね。
3つのグループに問題を答えてもらった実験です。
グループ1には回答を書き、その回答を他の人に見せてもらいます。
グループ2は回答を書き、プライベートな方法で回答を置いてもらいます。(回答した本人だけが自身の回答内容を知っている状態)
グループ3は回答を答えて、頭の中で回答を置いてもらいます。
その後問題に対するヒントを与えると各グループどのような反応をするか比較した実験です。
グループ3の人たちはヒントをもらった後、容易に回答を変えました。
グループ2は自分の回答を維持する傾向を示しました。
そしてグループ1は答えを頑なに維持する傾向を示しました。
この実験から自己イメージを維持する一貫性は認知される数が多いと強くなることがわかります。
実際、一貫性がある人は誠実で信頼できるというイメージを持ちやすいですし。

周りの人から誠実・信頼できるなと思われたい気持ちが働くからグループ2よりグループ1は答えを頑なに維持しました。

コミットメントの効果を上げる条件:努力を要すること

3つ目は努力を要することです。
努力することが多いほど、その後得たものに対して価値を感じますよね。
例えば、新人に対する参加儀式がやたらと厳しいものが用いられているグループがありますよね。
「グループに入るのがこんなに厳しいの?」と思うことでも、ある意味理には適っているんです。
そのグループに入るために厳しい試験や新人に対する厳しい儀式的なイベントを突破した後だと、グループに入ったことや所属していることに高い価値を感じるようになり、高いチーム力を示すようになります。
「自分はあの厳しい試験や儀式を乗り越えたんだ」と努力した経験がグループの価値を高めます。

買い物で苦労して買ったものはなかなか捨てられない感覚がこの条件による効果です。

コミットメントの効果を上げる条件:自分の意志で選ぶこと

最後の条件として、コミットメントに自分の意志があるというのが重要です。
なぜなら自分の意志がコミットメントに対する責任を生むからです。
こちらでは子供に対して行われた実験を紹介します。
子どもたちを2つのグループに分けて行いました。
部屋には子ども1人で5つのおもちゃを用意します。
その1つにロボットのおもちゃがあり、実験者の子どもに対して「ロボットのおもちゃで遊んだらだめだよ、遊んでるのを見たら怒るからね。」と子供に伝え、その場から大人が離れると子供はそのおもちゃでその時は遊ばなくなります。
しかし、6週間後に同じ5つのおもちゃを用意して「好きなおもちゃで遊んでいいよ。」というと多くの子どもがロボットのおもちゃで遊びました。
これに対して、別のグループの子どもには「ロボットのおもちゃで遊んだらだめだよ、これは悪いことだよ。」と伝えてから大人がその場を離れると1つ目のグループと同じように子どもはロボットのおもちゃで遊びませんでした。
そして、6週間後に同じ5つのおもちゃを用意して「好きなもので遊んでいいよ。」と子どもに言うと、子どもはロボットのおもちゃ以外で遊びました。
この実験からわかることは自分の意志で決めたことはそれに対して責任を感じて、一貫性を持つことがわかります。
1つ目のグループの子どもたちは「怒られるから遊ばない」といったようにロボットのおもちゃで遊ばない理由が他者によって決められました。(他者からのプレッシャーがある)
それに対して2つ目のグループの子どもたちは、「ロボットのおもちゃで遊ぶことは悪いことだから遊ばない」と自分の意志で遊ばないことを決めています。(他者からのプレッシャーがない)
遊ぶか、遊ばないかは自分の意志で決めたことで、6週間後もロボットのおもちゃで遊ばなかった。
つまり、コミットメント(要請)をする際に報酬を用意する(目先の利益や不利益)だと長期的効果は得られません。
逆に自己判断(自分で遊ぶことはダメと理解した)の場合は長期的な効果が得られます。

まとめ

コミットメントの効果を最大限得る条件は4つ!

・行動を含むこと
・公衆の目にさらすこと
・努力を要すること
・自分の意志で選ぶこと
今回紹介した条件を全て含んだコミットメントをする必要はありません。
コミットメントをする際にどれかの条件を含ませることでコミットメントの効果を最大限に活かせられます。
小さな頼み事やお願いをするときはこの4つの条件のどれかを意識してみましょう。
その場に合わせて条件を選ぶことでより自然な形で実践することができますね。
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〇参考文献
ロバート・B・チャルディーニ、影響力の武器[第三版]:なぜ、人は動かされるのか、誠信書房、2014/7/10、492p

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